Hello Everyone,
東京インターナショナルスクールグループ カリキュラム・デベロッパーの斎藤みきです。
3月にご紹介したサマーキャンプ体験記では多くの反響をいただき、海外でのサマーキャンプへの関心の高さが感じられました。
そこで今回は、中目黒校・都立大校のジェネラルマネージャーであり留学カウンセラーとしてのキャリアを持つMs. Maggieと、運営/営業部門責任者の坪谷良のサマーキャンプでの体験や海外留学前の心構えについて語ってもらいました。
1.準備と子どもの力を信じること/Ms. Maggieのサマーキャンプ体験談
Ms. Maggie
中目黒校・都立大校ジェネラルマネージャー。留学カウンセラーとしてのキャリアを持つ。
>>中目黒校のご紹介とMs. Maggieのスクール運営にかける想い<<
まずはMs. Maggieから。Q&A方式でサマーキャンプの経験談を聞きました。
Q. どのようなサマーキャンプに参加しましたか?
イギリスのバーミンガムの近くの小さな田舎町、ブロムスグローブのキャンプに参加をしました。
日本に住んで、日本の小学校に通っていましたが、父親がイギリス人ですので、小学2年生から5年生の夏休みの間に毎年参加していました。
Q. イギリスのサマーキャンプで一番印象的だったのはどのような点でしたか?
今、このような立場で仕事をするようになって改めて気が付いたことなのですが、イギリスのサマーキャンプでは、先生たちが全ての子どもたちが輝けるような活動や声かけをしてくれていました。
例えば音楽の活動をするときは「上手な子」を選ぶのではなく「ピアノを弾いたことがある人、手を挙げて」「踊ってみたい人、手をあげて」と自主性や自己肯定の意識を尊重してくれます。
「スキルのレベル」や「目標」や「成果」ではなく、どのようなことでも子どもたちが取り組んだことや今持っている力についてとても褒めてくれました。
ドラマや発表を行う活動でも、先生が役を決めたり、手順を指導したりして「きちんと完成させる」という方法ではなく、子どもたちが自由に考えて決めて良いことが多かったです。
子どもたちだけで取り組みますから、あまりまとまらない発表や活動もありますが、先生たちは「自分たちで作り上げたこと」「最後までやりきったこと」を褒めてくれるのです。
他にも、水曜日はディスコデー、金曜日はMidnight Feast(夜中にこっそりお菓子などを食べること)など、日本の子ども向けのイベントでは考えられないような企画がたくさんありました。
猟銃を撃ってみたり、乗馬をしたり、エンジンのかかるゴーカートに乗ったりしたことを覚えています。
Q. 毎年イギリスのサマーキャンプに参加していたということですが、苦労したことや困ったことはありませんでしたか?
私は父親がイギリス人ですので、リスニングについてはある程度理解できていたかもしれません。
ただ、私は日本の小学校に通っていましたので、「同年代の子どもと英語で話をする」ということをしたことがなく、いわゆる子ども同士の会話が自由にできる英語力はありませんでした。
それも、先ほどお話した通り、先生や周りのお友達が、何か一つでもできるとスポットライトを当てて褒めてくれるので、自然と友達ができ、自信もついて、コミュニケーションができるようになりました。
Ms. Maggie(前列向かって右から2番目)/イギリス ブロムスグローブにて
Q. 最後に、留学カウンセラーとしてのキャリアも持つMs. Maggieから、サマーキャンプや将来に留学などを予定しているご家庭にメッセージをお願いします。
まず、サマーキャンプなどに参加するタイミングは、個人的にはできるだけ早い方が良いと思っています。
そして、現地では同年代の子どもたちと、「子どもだけ」で一緒にいる時間、空間をたくさん作ってあげてください。
慣れない海外のサマーキャンプで心配かもしれませんが、大丈夫です。
子どもには「不安に思った時に分かろうとする力」「柔軟に環境に対応しようとする力」がありますから、その力を発揮できるようにしてあげてください。
過剰なサポートは不要です。
そしてもう一点、私が留学カウンセラー時代からお伝えしていることなのですが「準備」をしてから参加してください。
もちろん、できる範囲で構いません。
具体的には、英語の基礎を少しずつ練習しておくこと、そして外国語を話す人や外国人との触れ合い、その環境に慣れる機会を持っておくこと、などをお勧めしています。
英語力については、学生留学などと違いますので、読み書きよりも、まずは聴く力と話す力の準備をしておくと良いと思います。
事前に準備をしておくことで、「環境に順応するため」に使うエネルギーが少なくなりますので、友達を作る、アクティビティに参加するなどにパワーを注ぐことができるのではないかと思います。
Q. 最後に保護者の皆様にメッセージをお願いします。
今、私たちのアフタースクールで子どもたちを見ていても思うのですが、小さいうちは、同じくらいの世代の子どもと楽しく過ごす中で自然と言葉を身につけることができます。
同年代の友達と仲良くなり「これを伝えたい、こんなことを言いたい」という気持ちが湧くことで、言葉がどんどん出てくるようになりますから、アフタースクールでも、サマーキャンプでも構いません。
ぜひ子どもたちにはそのような体験をたくさんして欲しいですね。
2.挑戦から得られる自信/坪谷良のサマーキャンプ体験談
坪谷良
運営・営業部門責任者
>>新教材「Tap & Talk」開発の裏側を坪谷がご紹介<<
次に坪谷にサマーキャンプでの思い出を話してもらいました。
少年時代の体験が今に繋がっているようです。では、聞いてみましょう。
(坪谷)
僕はアメリカのサマーキャンプに2回参加しています。
一度目は確か小学生3、4年生の時です。
場所はシアトルの近くの大きな農場だったと記憶しています。
当時、僕の母は地元で英会話の教室を営んでいました。
夏休みに、その生徒たちを連れて、アメリカのサマーキャンプに参加したのです。
まあ、なんとも大きな農場だったことを覚えています。
馬や牛が見渡す限り広大な農場に飼われていて、巨大な母屋やプール、射撃場まで併設された、大型の施設でした。
小学生の時のことなので、あまり細かいことは覚えていないのですが、正直に言って、最初はかなりビビッてしまって委縮していたことを覚えています。
なんせ初めての異国でのキャンプです。
親は一緒には来ていましたが、日中は子どもだけの参加です。
日本人同士が固まらないよう、一緒に来ている友人達は、別の班に分けられました。
いじめられるのでは?うまくやれるのか?と不安しかありませんでした。
しかし、蓋を開ければそんなことはまったくなく、毎日乗馬やハイキング、水遊びなどを皆で楽しみ、参加している子どもたちともつたない英語を使いながら仲良く遊んで楽しかったことを今でも覚えています。
ハイライトは泊まりの乗馬ツアー。
馬に乗って、山奥まで行き、皆でキャンプをするのです。
アメリカのサマーキャンプといえば、マシュマロとホットチョコレートです。
そして夜は肝試し。最高にドキドキしたことを今でも覚えています。
ハロウィンの季節だったのか、コーチたちの仮装の写真もありましたが、実はそれはあまり覚えていません。
長時間の乗馬でお尻がとても痛くなったことの記憶の方が強く残っています(笑)。
コーチたちの仮装の様子
2回目は、高校1年生の時。
コロラドのアウトドアキャンプでした。
1ヵ月くらい行っていたように思います。
これは大型のキャンプで、アメリカ各地からたくさんの子ども達が集まります。
コロラドの山中にベースキャンプという大型の宿泊施設があり、ドミトリーで皆で暮らします。
ここから、例えば3泊4日で山登りに行ったり、一週間の川下りに行ったり、日帰りで旅行したり、アメリカのロッキー山脈の大自然を堪能するショートトリップに出かけます。
パーティーは年齢別に様々構成されており、年齢に合わせたアウトドアをそれぞれが楽しめるようになっています。
僕は一番大きい生徒たちのグループで、確か10名程度のグループで、ほぼアメリカ人でしたが、僕ともう一人のフランス人、計2名が外国人でした。
内容は素晴らしく、日本では到底できない経験の連続でした。
あまりに巨大な大自然は暴力的でさえありました。
一週間をかけてコロラド川を下るトリップが一番印象に残っています。
かなり過酷な旅でした。
重い荷物を抱えて何キロも雨の中を歩いたり、物凄い蚊の大群の中で過ごす羽目となったり、ロープで手を怪我したり、道端でバッファローの死骸を見たり、かなりハードなアウトドアを経験しました。
しかし、そのハードな行程をやり切った時の充実感はとても大きなものでした。
しかも英語しか使えない環境の中をうまくやり切ったことは、大きな自信に繋がりました。
また、仲間との交流も貴重な経験でした。
映画に出てくるような小太りのわがままな男の子が規定以上のお菓子を持ち込んでいつも皆にからかわれていたり、筋骨隆々でアウトローな刺青だらけのインストラクターに憧れたり、僕に優しくしてくれる外国人の女の子に淡い恋心を抱く…など、今でも面白かった人たちの顔が脳裏に刻まれています。
この2回の経験を経て、私自身が「外国だろうがどこだろうが、なんだってできるんだ!」という確信を得られたのは、その後の人生において大きな糧となっています。
現在は仕事で日常的に外国人と交渉を行いますが、そこでまったく物怖じせずに仕事が出てきるのは、こうした経験が背景にあるかもしれません。
たった数週間とはいえ、海外サマーキャンプで得られるものは語学スキルなど表面的なものではありません。
それだけではなく、異国の地で自分自身の殻を破っていく「挑戦」と、それをやり切ったことから得られる「自信」が、大きく子どもを成長させるのです。
坪谷良(向かって左から2番目)/一緒に参加した友だちとの一枚