【学び方のポイント】フォニックスってなぁに?(2) - 東京インターナショナルスクール キンダーガーテン/アフタースクール

2021.07.21

【学び方のポイント】フォニックスってなぁに?(2)

Hello Everyone,

先日の投稿では「フォニックスとは?」についてご説明しました。
>>【読む力を伸ばす】フォニックスってなぁに?(1)<<

フォニックスの学習には様々な方法がありますが、今回は一例として、当スクールの子どもたちのフォニックスの取り組みの一部をご紹介します。

 

 

1.フォニックスの学び方

英語は、文字単位の呼び方と単語単位になった時の発音が異なる言語です。
日本語でカナの読み方、例えば「い」と「え」と習えば、「いえ」と繋げて発音するだけで、意味のある単語=「家」であることが理解できます。
しかし、英語の「C」「A」「T」をシー、エイ、ティーと呼び方の通りに繋げて読んでも「cat」(キャット)という意味のある単語にはなりません。
そこで、前回のブログでは、英語を母語とする地域では、「フォニックス」という「英語の綴りと発音の規則性を学ぶ学習法」に幼少期のうちから取り組む様子をご紹介しました。

日本では2020年度から小学校でも英語学習が必修科目となりましたが、現時点で子どもたちが「フォニックス」という学習法に取り組むには、
・市販の教材を使う
・フォニックスが含まれる民間の児童英語のコースに参加する
・または動画共有サイト(Youtubeなど)を利用する
といった方法が一般的のようです。

フォニックスを学ぶステップは、一般的にはまず文字単位の音の確認から初めて、次に二文字単位の音の確認へと進めることが多いです。
最近は、ペン型の音声再生機を使って、本に書かれた文字をタッチしながら文字と音との関係を確認していく教材が多くみられますね。

そして近年手軽に触れることができるようになってきた教材としては、映像教材があります。
インターネットで探してみれば、絵と音に動きをつけて、子どもたちの興味を切らさない工夫をしているものがたくさん公開されています。

特に未就学児くらいの月齢向けには、フォニックスの入り口として「チャンツ」から始めるのも効果的です。
耳と口だけでチャンツを覚えてから、文字カードや動画を使って文字と一緒にチャンツを行うと、文字と音との関係が身につきやすくなります。
発音を耳で聞いて、口で真似て言ってみて、そしてそれを文字に結び付けて関連付けていくというプロセスがポイントです。

さらにそこに体の動きを取り入れたり、感情を伴わせながら行ったりと、五感や感情に働きかけながら覚えていくと、より効果的にフォニックスを身に着けていくことができます。

 

 

2.当スクールでのフォニックス学習

当スクールでは、キンダーガーテン、アフタースクール、LTEコースの3つのコースのいずれでもフォニックス学習に取り組んでいます。
冊子型教材やカード型教材を使ったり、映像や音楽に合わせたりと、教師たちも子どもたちが楽しくフォニックスを身に付けられるように様々な工夫をしています。

キンダーガーテンでは毎日、英語力4技能の強化に特化した時間を設けています。
たとえば、K3(年長)クラスでは、火曜日はフォニックスに注目して学ぶ10分間の活動があり、その日はフォニックスに注目しながら単語を練習します。

 

 

3.フォニックスレッスンレポート

今回、レッスンを見学したのは、中目黒キンダーガーテンのK3(年長)クラスです。
この日のレッスンは担任教師の工夫にあふれる内容でした。
その工夫はというと、文字と音に英語のアルファベットを表現する「手話」を組み合わせレッスンが行われていました。

手話という体を動かす活動を取り入れることで、フォニックスに必要な耳と口(音)、目(文字)の関係性の理解に加えて、英語の文字と音の関係をより体感的に学んでいきます。

それでは実際の活動の様子をご紹介しましょう。

まずは、ウオームアップ。
担任教師が「A、B、それから、MやTを手話で作れる?」と簡単な理解確認をしたら、元気よくABCソングを歌います。
もちろん、手ではAからZまでの手話を歌のテンポに合わせて作っていきます。

 

歌い終わると、いよいよカードタイム。
子どもたちが大好きな活動の一つです。
担任教師が選んだ単語カードを、文字を見ずに、一音ずつ「音」を聞いただけで当てるのです。
「一つ目の文字の音はなんだろう、、、」と子どもたちの集中力が高まります。

 


以下の会話はこの日のフォニック活動の一部です。
クラスルームでは会話はオールイングリッシュ/英語のみでやりとりがされているのですが、この記事中では日本語訳バージョンでお届けします。


教師:「今日の単語はこの文字から始まります!」と手話で “ t ”を作ります。
生徒:「ティー!」「トウ!」と手話で作られたアルファベットを口々に発音します。
教師:「そう、『ティー、トウ』です!今日の単語の一つ目は “ t ” から始まります。どんな言葉がありますか?」

生徒からはたくさんの手が挙がり、教師が順番に指名していきます。

生徒:トウー!!
教師:???あなたの「トウー!!」はどの「トウー!!」かな?

What kind of “two” is that?
Is this “to” as I’m going to the zoo?
Is this “too” as I want to do it, too? or “Number. 2” ?
(あなたの言ってるのはto?それとも「〜も」のtoo?それとも数字のtwo?)と英語で問いかけます。

すると指名された生徒たちは、
生徒:私が言いたいのは公園に行く、のto
生徒:私が言いたいのは数字の2
と、全て英語で答えます。

教師:今日の単語は~・・・「数字の2」でした!! How do you spell number 2?

すると生徒たちは手話でアルファベットを作りながら、「t」「w」「o」と答えます。

教師:「t」「w」「o」を続けて発音してみて!
生徒:「タウ?」「トウオー」
教師:「ト(t)ウ(w)オー(o)」そう、トウオーだよね。でもtwoはトウーと発音するの。
   おもしろいね。Wacky, wacky English word!(変わった単語だね!)
生徒:Wacky, wacky English word!(英語ってヘンテコ!)

ヘンテコだねと言いながら、綴りと発音の関係が特殊なものを印象付けながら、正しい発音を学びます。

この日は、他に「What」と「play」と合わせて3つの単語を、手話を交えながらフォニックス学習に取り組みました。

体を使う要素を加えることで五感をたくさん使ったり、ゲームの要素を取り入れて子どもたちが興味関心を持ちやすくなります。
そうすることで、フォニックスへの取り組みを効果的なものにしていました。

 

 

4.当スクール各コースでのフォニックス学習への取り組み

また、当校ではキンダガーテンのほか、アフタースクールコース、そして週1回通学のLTEコースでも英語のスキル獲得にフォーカスをしたLanguage Strategies(LS)と呼ばれる時間を設けています。

アフタースクールでは、テーマ学習やオンライン教材「Reading A-Z」を使った学習、そして、英語のフリーライティングに取り組む学習(小学3・4年生)など、様々な英語学習を行います。

生徒たちはその中で学んだ単語を使ったフォニックの学習も行なっています。
先生が読みあげた単語の綴りを書いたり、綴りの間違い探しをしたり、クイズ形式で自然にフォニックス学習に取り組んでいます。
LTEコースでは、当スクールオリジナルのアクティビティブックに沿って、毎月異なるフォニックスに取り組みます。
たとえば7月はooとulの音をテーマに、チャンツやエアーマイクを使ったパフォーマンスをしながら、楽しくフォニックスを学びます。

 

「英語特有の文字と発音の規則性を一致させるフォニックス」の学習は、英語で文章を読む、書く力をバランスよく伸ばすための基礎を固める上でとても効果的です。
当スクールでは、幼児や低学年の子どもたちも短時間で効果的に学べるように、楽しみながら学べるよう日々、工夫を凝らしています。

みなさんもご家庭でフォニックスの学習に取り組むときには、いろんな「楽しい」工夫をしながらやってみてくださいね。