Hello Everyone, 前回は日本の「学習指導要領」から、今、日本の子どもたちに求められている能力とそれを身につけるための学習方法を見ていきました。 >>学習指導要領の変遷と現代日本の子どもたちの学び<< 2020年からの新学習指導要領では、小学校では3年生から外国語活動が開始され、5年生・6年生は外国語(主として英語)が正式な教科、つまり成績がつく対象となりました。 これからの子どもたちには、外国語による発信能力がより強く求められるようになっています。 今回は、日本語を母語とする人たちが英語を身につけるまでにはどれだけの時間が必要なのか、それはどうしてなのかということを見ていきます。 坪谷ニュウエル郁子 学校法人 東京インターナショナルスクール 理事長 NPO東京インターナショナルプログレッシブスクール 理事長 株式会社 東京インターナショナルスクールグループ 代表取締役 文部科学省 国際政策特任フェロー、IB教育推進コンソーシアム関係者協議会 構成員 国際バカロレア機構 国際バカロレア日本大使 など 1.CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは 1993年にEU(欧州連合)が発足し、加盟国(28カ国)間で人の流動が顕著になりました。 EU圏内は様々な言語が存在している関係上、学習者がどのレベルまで他言語を習得しているかを判定するガイドラインが必要となりました。 そこで生まれたのがCommon European Framework of Reference for Languages(CEFR、 和訳:ヨーロッパ言語共通参照枠)です。 このCEFRは今世界中で活用されるようになりました。 評価基準は次のような特徴があります。 ①全ての言語に共通して使用できる判断枠である。 ②同じ判断枠で、同一人物の異なる言語能力を比較できる。 ③知識の量ではなく、「何ができるのか」「どの程度うまくできるのか」で習得状況を把握する。 ④指導者だけでなく、学習者自身で判断できる。 このCEFRは教育や就職の流動性の際にも目安とされています。 例えば、フランスでオランダ語話者が就職する際に、ある会社はフランス語は業務レベルのC、ドイツ語は日常会話レベルのBを採用の条件と出したりしています。 CEFRでは、習得レベルをA