教育セミナー第7回「子どもは未来 – 未来を創る教育とは」動画配信開始/質問回答 - 東京インターナショナルスクール キンダーガーテン/アフタースクール

2022.11.09

教育セミナー第7回「子どもは未来 – 未来を創る教育とは」動画配信開始/質問回答

Hello Everyone,

先日2022年10月30日(日)に、教育セミナー第7回「子どもは未来 – 未来を創る教育とは」を開催しました。

今回は東京インターナショナル キンダーガーテン/アフタースクール代表をはじめ、学校法人東京インターナショナルスクール理事長や文部科学省大臣官房国際政策特任フェローなどを務める坪谷ニュウエル郁子を登壇者として開催しました。

坪谷自身も子育て中のひとりの保護者です。
セミナーをご覧になる皆さまと一緒に、保護者としての悩みや迷いが少しでも解決に向かえばという本人の強い思いから、今回はセミナーのおおよそ半分の時間を質疑応答の時間として開催しました。

このブログ記事では講演中に寄せられたご質問と坪谷からのコメントの要点を簡単にご紹介しますが、実際のセミナーではもっとたくさんのことをお伝えしています。
ぜひ下記のリンクから全編をご覧ください。

セミナーの動画をYoutubeで公開しました!
当日に参加でなかった方はもちろん、ご参加いただいた方も振り返りにどうぞご覧ください。
>> セミナーの動画(約55分) <<

 

 

1.どのような勉強をしていれば海外大学対策になりますか?

まず覚悟しなければならないのは「お金がかかる」ということです。
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語圏に行くのは特に学費が高くなる傾向があります。

勉強としては、米国系はTOEFL、英国系はIELTSの試験が課されているところが多いです。
ほかにはエッセイライティングや面接、面接では国内の卒業生が面接官をするという場合もあります。

私が最近おすすめしているのは、日本の大学(学部)に入ることです。
というのは、最近は国内の大学が海外の様々な大学と提携を結んでいるからです。
日本の大学に在籍して日本の大学の学費で、在籍中の半年間や1年間といった期間に海外の大学で学ぶことができるところがあります。

そして研究を続けたいという場合に、大学院を海外で選ぶことです。
海外では大学院は、研究を続ける場所、専門性を増していく場所という位置づけなので大学院の学費の方が抑えられている場合があります。

 

2.真の国際人に成長するための要素は?

「イデオロギーや経済的、社会的バックグラウンドが違っても、それぞれの立場にある人にはそれぞれの立場なりに正しいことがあるんだ」ということを理解することだと思います。
それを理解したうえで「社会をより平和に、より良くするゴールに到達するためにどうしたらいいか、どうやって折り合いをつけていくか、その中で自分がどういう役割を担っていけるか」を考えて、コミュニケーションをとって実行していける人を私はグローバルな人材だと考えています。

 

3.子どもの英語教育のために大事なことや、した方が良いことは何でしょうか?

英語に限らず第二外国語というのは、その言語でどれだけ脳に刺激を受けているかという時間に比例します。
ですので、その言語に触れる時間は確保しておく必要があります。
これはある意味では残念な事実ですが、フェアな事実です。

しかしそれよりもまず保護者がやれることとしては、子どもと一つのことに関して深く話し合いをする、一緒に調べるといったことだと思います。

 

4.バカロレアの中高からは日本の大学入試が難しいと聞きましたがどうなのでしょうか?

バカロレア入試を実施する大学はどんどん増えてきていて、日々情報は新しくなっています。
「文部科学省IB教育推進コンソーシアム」というサイトでどこの大学がどのような条件で受け入れているかを調べることができます。
最新の情報はぜひそちらから調べてみてください。
>> IBを活用した(大学)入試制度 <<

バカロレアの一部の科目でも入学条件を満たすことができる場合もあるので、大学ごとに確認してみてください。

 

5.東京インターナショナルスクールアフタースクールの良いところ、アカデミックコースについて教えてください。

アフタースクールコースも一日3時間と限られた時間なので、「日本の学校ではあまり重きを置いていないところを抽出して教える」ということを、凝縮して実施しています。
一つのテーマに関して「深く考えていくこと」、そしてそれを「表現していくこと」を重視しています。
もちろん英語を言語学習として入れています。

アフタースクールコースでせっかく英語を臨界期まで学習しても、「臨界期を超えてからも継続しないともったいない」という思いから、アカデミックコースを作りました。
学年が上がると、子どもたちも学校や塾などで忙しくなり、通う時間がなかなか取れなくなってきます。
であるならば、オンラインでのチュータリングという形で先生と1対1でフォローができないかと考えてアカデミックコースのプログラムを考えました。
いずれは生徒一人ひとりがどんな分野に関心があるのか、どんなことに興味があるのか、どんな将来を望んでいるのかを踏まえた指導ができるようにしていきたいと考えています。

>> アカデミックコース詳細 <<

 

6.英語学習3,000時間の到達まではどの程度かかるのでしょうか?

※英語学習に要する時間についてはセミナー動画の「19:18~第二外国語の習得に必要なこと」をご覧ください。

3,000時間というのはとても長い時間です。
1日1時間の学習を1年間毎日続けたとして、365時間ですね。
そうして掛け合わせたり割り込んだりしていくと、日々どれだけの学習時間でどれだけの期間がかかるかが見えてくると思います。

約1,000時間は学校で学習するので、残り約2,000時間をアフタースクールコース、アカデミックコースで学んでほしいと考えています。
>> 確実な英語力獲得のための2,000時間について <<

 

7.英語のビデオ教材等を見せるなどだけでも効果はあるものでしょうか?

助けにはなると思います。
しかし、それらは一方向の刺激です。
「会話をする」ことを目指すなら、双方向のやり取りがどうしても必要です。
とはいえ、聞かないよりは聞いた方がいいでしょう。
小さなお子さんは覚えるのが早いので、お子さんが気に入ったものであればどんどん聞かせていくのは有効だと思います。

 

8.子どものコミュニケーションスキルを高めるために親が働きかけできることはありますか?

◎表現力について
私は日本人は決して表現力が低いとは思いません。
漫画や小説など日本人の表現力は素晴らしいものだと思います。
発言したり発表したりというのが苦手なのは、目立たないようにしなければならないといった文化があるためです。

親が子どもにできることは、まず、「思っていることを言ってもいいんだよ」「言っても怖くないんだよ」と伝えるところから始めることだと思います。

◎聞く力について
親が子どもの声を聴く姿勢を見直すことが大事だと思います。
子どもが言うことを本当の意味で聴くことです。
子どもが話をしてきたら、自分がやっていることの手を止めて、子どもの目線に自分の目線を合わせて、子どもの言うことをリピートして。
そこで自分の意見は敢えて言わない。
そしてまた、子どもが言いたいことを聴き出す。
これを繰り返すことが大切です。これが寄り添う力なのだと思います。

 

9.家でも親が英語を話した方がいいのでしょうか?夫婦とも日本人で発音には自信がありません。

家の中では、英語で話してもいいですし、日本語で話してもいいと思います。
英語を話すときには、発音を心配することは無いと思います。
日本人で全然英語ができない、という方を実際には見たことがありません。
普段の生活、普段の会話に英語は必ず入っているはずです。

自分の英語は下手だと心配するようでしたら、子どもに素直に言えばいいのです。
「自分は母国語の人のような発音はわからないけれど、カップはCupというのは知ってるよ。」
そんなことからでいいんです。

 

10.アカデミックコースの高校生のクラスは今度どういう予定ですか?大学受験を意識した内容を勉強しますか?

大学受験を意識した内容というよりも、カレッジカウンセリングのようなものを将来的に入れていきたいと考えています。
子ども本人が、どんな分野が好きか、どんな側面から研究していきたいか、どんな側面から世の中に貢献していきたいか。
それを子ども自らが選んでいけるようにしたいです。
そして子どもが選ぶ内容に関しては、どんな大学があって、どんな教授がいて、入学するためにはどんな条件があるのか。
そういうことを見つけるお手伝いをしていきたいと考えています。

大事なのは子どもが「自分で」選択できるようになることです。
他人に責任転嫁をしない人なることです。
自分の選択のあとに、「やっぱりこっちだった」と別の道を見つけたときも、自分の意志で変えていくことができるように。
「自分の意志で変える」ことができるようになっていると、自分で調べて、自分で選んで、自分で努力して、やり抜く力というものが付いていくのです。

 

11.日本の大学に在籍しながらも海外に行ける大学はどう調べたらいいでしょうか?

日本の大学に籍を置きながら海外の大学で学ぶメニューは、いろんな大学がやっていますね。
たとえば最近、海外の大学に行こうと思っていたのをやめて、日本の大学に進学されたお子さんで、4年間のうちに1年間はアメリカの大学、半年は英国の大学、3ヵ月は中国の大学で学ぶことを決めた方がいます。
この例だと早稲田大学です。

この例だけでなく、現在は本当にいろいろな大学が様々なメニューを用意しています。
一度、ご興味のある学校からリサーチしてみてください。

 

12.子どもが小学校のあとのアフタースクールに行きたがらないときの対応についてアドバイスいただきたいです。

学校に行った後に別の習い事に行くのは、子どもも大変だと思います。
高学年になれば塾に行かなければならなくなることもあるでしょう。
子どもが行きたくないと感じるのも納得できます。

私は自分の親がいろいろな習い事をやらせてくれたのですが、それらが自分の基礎になっていて、その基礎の部分があるから今の自分がいるのだと感じます。
しかし、各家庭でそれぞれの考え方があります。
どの考え方が正しい、どの考え方が間違っているということはありません。

ただ、方針をあっちへこっちへと変えるのは、子どもが翻弄されるのでやめた方がいいと思います。
ご夫婦で育てているのであれば、ご夫婦で話し合って「うちはこれでいこう」ということを決めて、決めたならば臨界期を超えても続けることをおすすめします。

そして「時間」です。
たとえば英語学習で子どものうちに3,000時間を達成するとしたら、いつまで続けなければならないのかを考えます。
一方で5,000時間を達成しようとする場合に、それを65歳で到達してもいいのです。
それが人生設計になります。

ですので、やはり方針を両親が話し合いをして、決めなければいけません。

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セミナーの動画をYoutubeで公開しています!
当日にご参加でなかった方はもちろん、ご参加いただいた方も振り返りにどうぞご覧ください。
>> セミナーの動画(約55分) <<


次回の教育セミナーはまた新たな講師とテーマで、2023年2月の開催を予定しています。
次回のセミナーの内容や応募受付の開始はこちらのブログ、またはTwitterでお知らせします。
お楽しみに!