教育セミナー第4回「子どもの「できる」を増やそう!」動画配信開始 - 東京インターナショナルスクール キンダーガーテン/アフタースクール

2021.11.10

教育セミナー第4回「子どもの「できる」を増やそう!」動画配信開始

Hello Everyone,

先日2021年9月26日(日)に、教育セミナー第4回「子どもの「できる」を増やそう!~現役インター教員が教える、子どもの発達段階と社会的スキル習得~」を開催しました。
オンラインでの開催となった今回、東京都世田谷区の二子玉川にあるNPO法人 Tokyo International Progressive School(TIPS)から配信しました。

TIPSは、今回の講師である高 紗己(Saki Koh)さんが勤務する学校で、子どもたちの多様な個性を活かす軽度の発達障がいや学習障がいを含む、さまざまな個性をもつ子どもたちのためのインターナショナルスクールです。

 

TIPSは、日本に住む外国人駐在員のお子さんで、主として発達障がいや学習障がいなどの“個性”を持つ中学生・高校生のための小さな学校です。
こうした”個性”のために、一般的なインターナショナルスクールなど大人数の授業が前提の学校に通うことができず、また言語の問題から日本の学校にも通うことができない子どもたちに、少人数での授業を行い、一人ひとりの個性を活かす教育を設立から約20年間行ってきています。
その結果、卒業生の8割が大学進学を果たすなど、子どもたちが自分の道を見つけるための支援が可能となっています。

 

セミナーの動画をYoutubeで公開しました!
当日ご参加でなかった方はもちろん、ご参加いただいた方もぜひ振り返りにご覧ください。

>>セミナーの動画(約50分)<<

子どもたち一人ひとりには個性があります。
成長スピードやできるようになっていくことの順番が一人ひとり異なります。
そして、子どもは成長の過程でたくさんの「つまずき」に直面します。
その「つまずき」を体系的に知ることで、子どもたちに何かを教えるときの効果的なステップの踏み方や抑えるべきポイントが見えてくると思います。
今回のセミナーでは子どもたちの平均的な発達段階や学習ステップについて整理して解説していただきました。


セミナー後のアンケートでは
「子どもの発達段階の体系立てた説明が理解しやすかった」
「発達課題の解決手順について整理することができた」
「視覚・聴覚・体感というアプローチ方法は興味深かった」
「子どもの特性によって変えていくアプローチ方法は、小さな子どもに限らず幅広く活用できると思った」
といった感想が寄せられました。
子どもの発達段階や学習段階を体系立てて整理するのに役立つと感じていただけたようです。

後半には質疑応答の時間を設けましたが、時間の関係で答えきれなかったご質問もありました。
それらは今回の講師Kohさんに後日ご回答をいただいたので、動画でのお答えした質問の続きとして、こちらでご紹介します。
※動画では7つ目の質問までお答えしています。

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質問8:
なかなか自分から輪の中に入ろうとしない事が多く、英語をうまく話せない事が原因なのか、集団生活が苦手なのか、どう声がけをしたら良いでしょうか。

回答:
集団では人数が多くなるので、入りづらさを感じるのは自然なことです。
また、母国語ではない言語を使わなければならないということもプラスの要素としてあると、お子さんにとってはより難しく感じる状況ではないかと思います。
解決のためにご提案できるひとつの方法は、話しかけるためのフレーズ(例えば “can I join you?”)を練習することです。
コミュニケーションの始まりにそもそも何を言えば良いかわからないかもしれないので、その点をはっきりさせてあげると、集団内での声掛けがやりやすくなり、集団へ入っていくきっかけになるかもしれません。
また、大人数であることに対して苦手さを感じているのであれば、まずは少人数、または一人に話しかけてみても良いと思います。
そこで話しかける成功体験を重ねていけば、大人数の場に入ることへの抵抗が小さくなり、楽になるかもしれません。
ただ、子どもの特徴で大人数を好まないという可能性もあります。
その場合には、無理矢理集団の中に入ろうとしなくても良いのではとないかと思います。
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質問9:
普通学級しかない学習施設で、生徒の発達障害を感じた場合にどう生徒と向き合うべきか、またどう保護者に伝えるべきか、Kohさんの経験上なにかアドバイスがあれば伺いたいです。

回答:
私ですと、まずはできないことをできるようになる方法を探します。
例えば、授業中に先生の話に集中しない場合だとまずは、「先生の話を聞くときは先生の方向を見て、口は閉じて、手には何持たないよ」と具体的に説明し、それができているときに褒めます。
そうすると、子どもにとっては「具体的に何をすれば良いか」がわかりますし、「それが正しい」ということが理解できます。
その子にとってまずはそれが必要なだけかもしれません。
そうすると、保護者に伝えるとき「〇〇さんは集中することが苦手だったけど、具体的に伝えるとできるようになりました。具体的な説明が〇〇さんにとってとても大切です。」と説明できます。
先生として、ただその子どものできないこととサポートが必要であることだけを伝えるのではなく、できないことをできるようにするために、どんなサポートが良かったか、そして今後もサポートがあるといいですねまで伝えられると、保護者にとってより理解しやすいのではと思います。
そうしていくことで、保護者と寄り添って子どもが必要なことを一緒に考えられるようになっていくと思います。
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質問10:
4歳です。
できることをわざとやらなかったり、指示と反対のことをやろうとしたりします。
できていることを伸ばしたいのですが、言えば言うほど逆効果です。
どのような働きかけや声がけがよいでしょうか。

回答:
行動の理由は4つあります。「回避」「注目引き」「自己刺激」「物の取得」です。
言ってもわざとやらないことは、恐らく回避または注目引きだと考えられます。
回避ですと、「〇〇をやったら〇〇あげるよ」というご褒美があると良いかもしれません。
だんだんとできることが増えてくると、ご褒美を褒め言葉に置き換えていくと良いです。
注目引きですと、お子さんが喜ぶような注目を向けてあげながらやってほしいことを伝えると、子どもは注目をもらえていると感じて喜んでやるかもしれません。
例えば、おもちゃを片付けてほしい場合の注目引きですと、一緒におもちゃを片付けたり、カウトダウンしながらゲームのような感覚でおもちゃの片付けを促してあげると良いかと思います。
ぜひ試してみてください。
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今回のセミナーの内容がみなさまの子育ての悩み解消や、お子さまの成長の参考になりますと嬉しいです。

次回の教育セミナーはまた新たな講師とテーマで、2022年2月の開催を予定しています。
次回のセミナーの内容や応募受付の開始はこちらのブログ、またはTwitterでお知らせします。
お楽しみに!