【潜入!】学校法人 東京インターナショナルスクール スクールツアー - 東京インターナショナルスクール キンダーガーテン/アフタースクール

2021.04.07

【潜入!】学校法人 東京インターナショナルスクール スクールツアー

Hello Everyone,

今回は、「学校法人 東京インターナショナルスクール」のご紹介です。

学校法人 東京インターナショナルスクールは、男女共学のインターナショナルスクールとして1994年に設立され、2017年には東京都から学校法人の認可を得て、各種学校としてスタートを切りました。
外国籍を持つ生徒を主な対象とした学校で、日本の学校教育法の第一条に掲げられる教育施設(いわゆる一条校)とは異なり、独自の方針により運営されています。
ここで行われる教育内容は、国際バカロレアのフレームワークに基づいた探究型のもので、問題解決能力やコミュニケーション能力、自己管理能力、社会性などのスキルを養い、国際的な視野を持った人(国際バカロレアの学習者像)の育成を図っています。

一方の私ども「東京インターナショナルスクール キンダーガーテン/アフタースクール」は日本の子どもたちを対象にしており、日本人としてのアイデンティティの上に英語力やグローバル・スキルを身に付けていくスクールです。
そして私どものスクールは、学校法人 東京インターナショナルスクールの知見を継いだ独自の探究型英語プログラムをレッスンに取り入れています。

 

では、その「学校法人 東京インターナショナルスクール」とはどんな学校なのでしょうか?


東京インターナショナルスクール 入学課のAyaさん・RiyaさんとKyoka先生にスクール内を案内していただきながら、お話を聞きました。
東京インターナショナルスクール 正門

 


 

 

1.東京インターナショナルスクールはどんな学校?

東京インターナショナルスクール 校舎

東京インターナショナルスクール(以下、TIS)は東京都港区南麻布に所在するインターナショナルスクールで、最寄り駅は地下鉄の白金高輪駅(または麻布十番駅)です。
都心で国際バカロレアの教育が受けられるというのも魅力のひとつです。

現在63ヵ国、約360名の4歳~14歳(日本の年中から中学2年生に相当)の生徒が学んでいて、学年はK1・K2、G1~G8に分けられます。
そして K1~G5が初等部、G6~G8 が中等部です。
2022年には、G9(高校1年)ができます。

在籍生の90%以上が外国籍を持つ生徒で、その保護者の多くは大使館や外資系企業に勤めている駐在員です。

MISSION VISION STATEMENT

さまざまな国籍の生徒が学んでいるという点で、文字通りインターナショナルな学校で、子どもたちが持つ文化的背景や第一言語もさまざまです。
そのため校内では、必然的に英語が共通言語になります。
生徒の半数以上は英語がネイティブレベルで、英語のサポートが必要な生徒の受け入れ人数は限られています。
学校の選択肢が多い日本人に対する英語のサポートはなく、英語力はネイティブレベルが必要です。

 

TISではカリキュラムにも特徴があり、「国際バカロレア(IB)」のフレームワークに沿った教育を行っています。(国際バカロレアについて詳しくは次項以降でご説明します)
学校の運営方針、運営実態、財務状況、施設・設備、保護者との関わり等、多方面から学校が国際的な教育機関として一定の基準を満たしているかを認証するインターナショナルスクール連盟(CIS)やNew England Association of Schools and Colleges (NEASC:米国の教育認可団体)の認証も受けており、世界のどこの国の学校へ編入しても、遜色なく学習を継続できる能力を身につけられるよう指導が行われています。
それらの認可団体は定期的に運営状況等の監査を実施し、TISは絶えず教育機関として質の維持・向上に努めています。

また、生徒の創造性、共同作業、分析などをサポートする為に、積極的にiPad/コンピューターが導入されており、1年生以上は一人につき1台のコンピューターが割り当てられています。
2006年にアップル・コンピュターの教育におけるIT活用モデル校に認定され、2016年にはApple Distinguished School(アップル ディスティングイッシュ スクール)にも認定されていています。
Distinguished School

 
こちらは、TISのスクールウェアです。
色はスクールのイメージカラーでもある青、緑、白の3種があり、ユニ(単一)フォームではなく、生徒が好きに組み合わせて着ています。

School Wear

 

 

 

2.東京インターナショナルスクールでの教育

2-1.国際バカロレアのフレームワーク

TISは国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)認定校です。

IBは、国外へ移住しても継続して受講でき、国の制度や内容に偏らず、バランスの取れた高度な教育を提供し、世界共通の大学入学資格及び成績証明書を与えるディプロマプログラム(DP)から始まりました。
「IBは多様な文化の理解と尊重の精神を通じ、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。」
また、「IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」
国際バカロレア機構ホームページより

 

国際バカロレアには4つのプログラムがあります。
① 初等教育プログラム (PYP) 対象:3~12歳
② 中等教育プログラム (MYP) 対象:11~16歳
③ ディプロマプログラム (DP) 対象:16~19歳
④ キャリア関連プログラム (CP) 対象:16~19歳

TISでは4歳~14歳の子どもたちが学んでおり、IBの認可を受けてPYPとMYPを実施しています。
TISの生徒の保護者の職業は大使館関係、外資系企業勤務が大半を占めます。
駐在期間により、生徒の在籍期間は2~4年が一般的で、毎年1/3~1/4の生徒が入れ替わります。
しかしIBを採用している学校は世界中にたくさんあるので、移転先でもIB校での学びを続けることができるのです。

TISは、IBのフレームワークに基づき、探究型の教育を行っており、初等部は、IBが設定した年間6つのテーマを理科、社会、算数、言語、美術、体育等の科目に捉われず、できる限り様々な教科を関連付けて、横断的な学び方をします。
そこでは、リサーチ、コラボレーション、コミュニケーション、問題解決能力、自己管理、社会性等のスキルが養われます。
そして、探究する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションが出来る人、信念を持つ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスの取れた人、振り返りができる人の10の理想の学習者像を目標としています。

 

6つのテーマ学習とは別枠で、英語と算数を毎日勉強します。
TISは、 世界中のカリキュラムを検討し、研究結果をもとに、TISの生徒にとって最適なカリキュラム(アメリカ、イギリス、オーストラリア等の水準)を採用しており、卒業/転出後も学びの継続がスムーズです。
英語は、米国コロンビア大学教育学大学院が開発したReaders & Writers Projectのメソッドを使用しており、世界で数少ないモデル校でもあります。

 

IBのプログラムでは、教科横断的なテーマを中心に据えて学んでいます。
たとえばPYPでは、以下のテーマ(探究プログラム:Program of Inquiry)が中心になっています。
・私たちは誰なのか
・私たちはどのような時代と場所にいるのか
・私たちはどのように自分を表現するか
・世界はどのような仕組みになっているのか
・私たちは自分たちをどう組織しているのか
・この地球を共有するということ

テーマを通じ、様々な教科が関連付けながら学習され、自分の既に持っている知識とそれに関連する新しい知識を結び付けることで、より深い知識やスキルを得ることができます。
実社会で起こる物事は、教科で分けられるものではなく、お互いに関連付いたものなので、横断的に様々な科目を取り組んでいくことで、子どもたちは実社会の課題に対応できるようになっていきます。
そして普段の学びが実社会・実生活に活かすことができるので、子どもたちは学ぶことを楽しく感じられ、意欲にあふれています。

東京インターナショナルスクール 校庭

 

2-2.カリキュラムコーディネーターの存在

コーディネーターはIBプログラムを用いて、子どもに何を学んでほしいか、どうしたら最善の方法で学べるのか、どのようにして何を学んだかを評価できるのか等を考え、年間の学習計画を決めます。
コーディネーターはIBプログラムのユニットをベースに、子どもたちがリサーチや自己管理スキル、また協調、自主性、尊重、誠実、感謝、根気などの姿勢の向上を促し、国際的な視野を持った人(前述IBの学習者像)の育成を図るプログラムを組みます。
そして各学年の先生とは定期的にミーティングを行い、子どもたちの興味などに基づいて、さらに深く追究したいことがあれば、プログラム内容を柔軟に調整します。
Teachers Meeting

 

2-3.横断的・多角的な学び 

探究プログラムと教科学習とが相互にクロスし合う横断的・多角的な学びとは、たとえばどんなものでしょうか。

たとえば、「私たちは誰なのか」の単元では、1年生は五感を使って、自分たちを取り巻く世界を知ることを体験を交えて学びます。
二人ペアになって、一人は目を覆い、もう一人がその生徒をガイドして校内を廻ったり、色々な感覚を使って食べ物や飲み物を摂る方法を試したり、
美術では、種、豆、パスタ、ボタンなど違う触感の物でモザイク作品を作ったり、体育では、パラリンピック競技のゴールボール等を体験したりします。音楽や読み書きも関連付けて学びます。
校外で、視覚障害者誘導用ブロックや地下鉄ホームの転落防止対策、バリアフリーの状況を実際に見て把握し、新しいアイデアの提案を考えたりもします。

 

 

3.生徒たちの活動

3-1.多くの考える時間

教師たちは「教える」というよりも、生徒の学ぶ過程を手助けする「ファシリテーター」です。
「計画された探究を通して、生徒が自分を取り巻く世界に意味をもたせ、理解を深める機会を提供」し(国際バカロレア機構ホームページより)、子どもたちに効果的な学び、問い、気づきを与えられるように寄り添い、導きます。

生徒たちは自らがテーマに沿って問いを立て、それらについて学び、発信と共有をしていきます。子どもたちは、用意された答えを探しに行くのではなく、自分たちで答えを創り出す必要があります。そのため、探究プログラムの授業では、子どもたちが「考える」時間が多くなります。

 
生徒たちが授業に臨む様子はどのようなものかと言うと、机に整然と並んで黙々と、とは限りません。
ツアー中に筆者は、学んだ事を発表する自身の姿をiPadで収録する為に、教室内外で場所を見つけて、作業している生徒を見かけました。
Leaning Style

 

ほかにも、みんなで先生の前に集まってお話を聞いている場面もありました。

どんなスタイルでの授業でも、学んでいる内容が興味深く意味がある事なので、どの生徒も真面目に取り組んでいる様子でした。

 

 

3-2.生徒主体の取り組み

生徒たちが主体性を発揮するのは授業の中だけには収まりません。
生徒たちが自ら企画し、実施する活動もあります。

たとえばレインボーエクスプロージョンデー。
「イベント当日には虹にちなんだ格好で登校しましょう。参加費は100円です。」という告知がスクール内に掲示されていました。
参加費が必要なの?と思った方もいるかもしれません。
実はこれはカンボジアへの募金を集めるために生徒たちが企画し、実行したイベントだったのです。
そしてこの企画には教師たちの介入はほぼありません。

こういった生徒主体の企画が年間でいくつも立ち上がります。
Explosion Day Poster

 

3-3.多くの表現する機会

TISでのカリキュラムやイベントでは、「表現する」という機会がとてもたくさんあります。

筆者は「表現すること」には大きな意義があると感じています。
自分の考えを言葉にして人に伝えること、自分のイメージを形にして人の目に触れさせること。
それができて初めて自分の考えやイメージをこの世界の一部として生み出すことができます。
自分の学びを多くの人にシェアすること、たくさんの人との対話を通じて一つのものを作り上げること。
他者への働きかけが自分を取り巻く世界に影響し、次の新しい何かを生み出します。
そういったことの実現のためには「表現する」力が欠かせません。

 

例年、春に行う「Spring Concert」では、全生徒に発表の場があります。
なかでも中学生はミュージカルを作り上げるのですが、普段は内気な生徒が、堂々と演じるなど、毎年嬉しい驚きがあるそうです。
たとえ舞台に立たなくても大道具や照明などの裏方として携わります。
普段とは少し違った役割を担う中で、生徒は違った一面を見せてくれます。

Spring Concert

また、大きなイベントに限らず、カリキュラムの中にも表現へとつながる機会が多々あります。

TISでは小さな学年の頃から楽器や歌に取り組み、そして中学生からは楽器を一つ選択し、オーケストラの一員になります。
楽器演奏などの音楽活動には数年をかけて取り組んでゆきます。
また、中等学年では授業の中に「Drama」(演劇)が加わります。
Musical Instruments

「Design」(デザイン)の授業で使う教室には様々な工具はもちろんのこと、なんと、3Dプリンタやレーザーカッターまでもが備えられています。
ここまでの設備を揃えているのは、「思い描いたものや作りたいと思ったものをすぐに形にできるようにしておくため」だそうです。
Tools3D Printer

 

ほかにも、6日に1回「Assembly」(集会)の時間があり、クラス単位で順番に自分たちの興味関心があるテーマについて調べてきたことや考えたこと、授業で学んだことのプレゼンテーションを行います。
このようにプレゼンテーションを大勢の前やクラス内で少人数に向けて行うことをたくさん経験することを通じて、自分の意見を持つことや他者を尊重することを学んでいきます。
ここでのプレゼンテーションの経験が、後にとても役に立ったと感じている卒業生もいます。

校内の階段を上がっていると、踊り場の壁には必ず大きなポスターが貼られています。これはクラスや学年ごとに最近の取り組みや制作した作品の展示になっています。これは「学びをシェアする」という考えから行っています。
Study Poster

 

後日、第2弾として、学校法人 東京インターナショナルスクール校長のDan先生のインタビューをお送りします。
東京インターナショナルスクールの幼稚園カリキュラムや小学生カリキュラムを通して子どもたちが得られる力とは?
他のインターナショナルスクールと違う特徴とは?
第2弾の公開をお楽しみに!