Hello everyone,
当校では、生徒たちの「確実な英語力の獲得」を客観的に測定するために、2022年度からTOEFL Primary® Testに取り組んでいます。
2023年12月には、初めて全国のスクールを対象に大規模なテストを実施しました。
その内容を分析いたしましたので、今回はそのレポートです!
目次
1.今回の受験者数
受験者数は全国トータル189名でした。
キンダーガーテン K3 |
22 |
アフタースクールレギュラーコース |
51 |
アフタースクールアドバンスコース |
63 |
LTEレギュラーコース |
53 |
合計 |
189 |
2.コース別平均スコア
今回分析の対象となった当校のコースは以下の通りです。
● キンダーガーテンK3(年長)
● アフタースクールレギュラー
● アフタースクールアドバンス
● LTE
なお、以下の2つのスコアをベンチマークとして当校のスコアとの比較に利用しています。※学校名は非公表
● 英語に力を入れている複数の私立小学校の平均
● 英語で主要科目を学習する、国際バカロレアをはじめとした国際系の複数の小学校の平均スコア
※グラフの画像はクリックすると別ウィンドウで開きます
3.スコアから見えてくること
3-1.起点としてのキンダーガーテンコース(グラフ色ピンク)
キンダーガーテンコースはまだ幼稚園児であり、英語力以前に、1時間座って試験を受けることに慣れていないことなどもあり、スコアのばらつきもありました。
総じて男児より女児の方がスコアが高い傾向にあり、これも幼稚園年代においては女児の方が発達が早いことを物語っています。
平均スコアとしては、211点でした。このスコア自体を論ずるよりも、キンダーガーテン卒業生が進むアドバンスコースの起点として見ることが重要です。
最終的にアドバンスコース小学4年生の218点まで伸びていく点に注目しながら、下記のアドバンスコースの分析をご覧ください。
3-2.驚嘆のスコア、アフタースクールコース
アフタースクールコースは、英語が初めての生徒が主体の「レギュラーコース」と、帰国子女や当社キンダーガーテン卒業生などある程度英語に慣れ親しんでいる生徒が主体の「アドバンスコース」に分かれております。
A: レギュラーコース(青)
グラフから見て取れるように、4年間かけて英語の能力がしっかりと伸びていくのが確認できます。
4年生の時点では218点とかなり高いスコアをマークしており、英検でいうと準2級から2級の範囲に到達しています。
また、英語に力を入れている複数の私立小学校の平均スコア(緑色)を大きく凌駕しています。
レギュラーコースでも、学校で学習する英語のレベルとは次元の異なる、かなりハイレベルな英語力がしっかりと身につく、ということが言えると思います。
B: アドバンスコース(赤)
アドバンスコースも、4年間で英語の力がしっかりと伸びていることを確認できます。
大変興味深いことに、英語で主要科目を学習する、国際バカロレアをはじめとした国際系の複数の小学校の平均スコアとほぼ同じ数値となっています。
当校のアドバンスコースは、英語を主要な言語としてアカデミックな学習を行うレベルに到達していると言えるでしょう。
また、4年生での平均スコア221点は英検2級、CFER(セファール)ではB1レベル*と、小学4年生としては群を抜いたトップレベルの英語力と言えます。
*CEFR ガイドラインによるB1レベル
・仕事、学校や遊びの場面で頻繁に経験する身近な事柄に関する明確で標準的な情報の要点を理解できる。
・その言語が話される地域を旅行する間に起こり得るほとんどの状況に対応できる。
・よく知っている話題や、個人的に興味がある話題に関して、単純な文を繋げることができる。
・経験、出来事、夢や希望、志について語り、自分の意見や計画に対する理由や説明を簡単に述べることができる。
3-3.ゆっくりだが着実に成長するLTEコース(グラフ色オレンジ)
LTEコースは、週3回以上通学するアフタースクールコースと比べて、学習量が少ない入門的なコースとなります。
それ故、アフタースクールコースと比較してスコアは低い結果となりました。
これは、ある意味当然の結果でもあります。
ただし、きちんとスコアは毎年伸びていますので、ゆっくりだが着実に成長していると言えるでしょう。
また、英語に力を入れている国内のいくつかの私立学校の生徒の平均スコア(緑色)とほぼ同等のスコアとなっています。
近年、私立学校ではかなり英語に力を入れている学校が多い中、それらの学校とぼぼ同等のスコアを出していることは、LTEコースにおいてもしっかりと英語力が身についているということが確認できます。
3-4.Readingのスコアは3,4年生で大きく伸びる
TOEFL Primary® Testは、ListeningとReadingの2つに大きく分かれています。
第2言語学習は、まず耳(Listening)から力がついていき、読み書きはその後に伸びてくる、というのが原則です。
これは、赤ちゃんが言葉を覚えるプロセスと同じです。
「話す聞く」の前に読み書きをする赤ちゃんはいません。
当校のテスト結果でも、それが確認できました。幼稚園、小学1年生の時点では、Listeningのスコアが高く測定されます。
アフタースクールコースでは、リーディングとライティングは1年生から全生徒が取り組んでいきます。3年生になると、さらにライティングに特化したプログラムが追加されます。このプログラムの導入が、3,4年生でリーティングのスコアが伸びている要因の一つにあると考えられます。
アフタースクール レギュラー |
アフタースクール アドバンス |
|||
Listening |
Reading |
Listening |
Reading |
|
幼稚園年長 |
– |
– |
107 |
104 |
1年生 |
106 |
103 |
109 |
105 |
4年生 |
109 |
109 |
111 |
110 |
3-5.当校での英語学習はしっかりと伸びていく
当校での英語学習の結果、4年生までにスコアがしっかりと伸びていくことが、今回しっかりと確認できたことは、当校一同大変よかったと思っております。当校としては、今後、以下の点に取り組みながら、より一層の教育の充実を目指していきたいと考えております。
● より受験者を増やしてデータを精緻にしていくこと
● テスト結果から見えてくることをカリキュラムや授業の改善に生かしていくこと
● 保護者のみなさまによりわかりやすくお伝えしていくこと
ご協力ありがとうございました。
2024年4月16日
株式会社東京インターナショナルスクールグループCOO 坪谷良