【キンダーガーテン教師の想い -第2弾- 】学芸大校 Mr. George - 東京インターナショナルスクール キンダーガーテン/アフタースクール

2023.02.15

【キンダーガーテン教師の想い -第2弾- 】学芸大校 Mr. George

Hello everyone,

スクールではTerm3が始まり、2022年度のレッスンも残りひと月あまりになりました。

ほんの短い期間でも日に日に目覚ましい成長を見せるキンダーガーテン生。
今回はそんなキンダーガーテン生の成長をそばで支える教師たちに、どんな心がけを以て日々のレッスンに臨んでいるのか、どんな視点で子どもたちを見つめているのか、どんな思い出が深く心に残っているか、などをインタビューしました。

子どもたちの成長には「環境」が強く影響します。
子どもたちが置かれる環境として、とても近くでとても長い時間を共に過ごす先生たち。
緊張感と責任感をもった姿とともに、子どもたちへの深い愛が感じられる言葉をたくさん聞くことができました。

全3回にわたってお送りします。今回はその第2弾!
>> 【キンダーガーテン教師の想い -第1弾-】中目黒校 Ms. Kaitlyn <<
>> 【キンダーガーテン教師の想い -第3弾-】トレーナー Mr. Thomas <<

 

 

1.今回登場の先生紹介


Mr. George
学芸大キンダーガーテン ヘッドティーチャー
どんな子どもも笑顔にしてしまう、そして、子どもたちをマグネットのようにそばに引き寄せてしまう学芸大キンダーガーテン ヘッドティーチャー。

 

2. 教師になったのはなぜ?

私はアメリカニュージャージー州の出身です。
2004年に来日してからもうすぐ20年経ちますね。
そんなに経ったことに驚きです。

2011年からずっと東京インターナショナルスクールのアフタースクールで幼稚園児から小学生までを教えてきました。
そして今年度、学芸大キンダーガーテンのヘッドティーチャーとして勤務しています。

昔から人に何かを教えるのが好きでした。
これまでイタリアでTOEFLを指導したり、カリフォルニアで学校勤務をしたこともありました。
そうこうするうちに、日本のことが本当に気に入っていてしまい、何度かアメリカに戻ることも考えたのですが、最終的には日本での永住を選択しました。

前職では大人に英会話を教えていたのですが、そこで本部勤務になって、複数のスクールをサポートする立場になりました。
その行く先々で私が担当する子ども向けのクラスがとても良いという評判が広がり、子どもクラスの担当が増えていったのが、大きなきっかけだったかもしれません。
さらにステップアップしたいと考えたときに、最も楽しく、またやりがいがあると感じた子どもに英語を使って指導ができる環境(=現職)を選びました。

 

3.やりがいを感じることは?

本当にたくさんあるのですが、子どもの世界が広がる瞬間を見ることができることでしょうか。
たとえば「英語で」「自分の力で」何かをすることができた時です。
新しい言語で理解・表現し、日本とは異なる文化に触れることを通して、子どもたちは自立し、そしてより良い「問題解決者」(Problem-Solver)に成長します。

詳しく説明すると、子どもたちは英語だけでコミュニケーションをする環境で、言語情報だけでなく、全ての感覚を使って情報を集め、目の前の状況に対応しようとします
私たち教師は、子どもたちが与えられた状況に自分の力で対応できるよう、力を貸します。
英語だけで過ごす状況のなかで、自分の力で何かを乗り越えた経験は、別の場面でも役立つスキルとして子どもたちの力になっていきま

子どもたちの成長のスピードはさまざまです。
スクールでは、英語と社会活動の両方で成長が求められるわけですから、最初の1年目は本当に苦労する子どももいます。
それでも教師がサポートを続けることで、ある日大きな成長をすることがあるんですね。
これらの成長は「英語を学ぶ」のではなく、「英語環境にあること」にいるからこそ身につけることができるものだと思います。

教師が言っていることがわからない時、子どもたちは言語だけでなく、身振り、手振り、声のトーン、表情などあらゆる情報を駆使して理解しようとします。
同時に教師も、言葉を工夫するだけでなく、全身を使って子どもたちをサポートします。
例えば4月の年少さんに”Line Up”とゆっくりはっきり言っても、真っ直ぐに並ぶことはできません。
ジェスチャーなどを使って、言葉と意味を繋げていきます。

 

4.最も大切にしていること

「安全」です。
スクールは安全な保育環境を提供することが何よりも大切です。
安全でない環境では、たとえどんなにカリキュラムが素晴らしいものであっても、子どもたちは安心してチャレンジができません。
教師を信頼することもできません。
他の先生方も同じだと思いますが、何よりも優先して大切にしているのは全ての子どもが安全な環境で学んでいるかという点です。

そして、「間違えても大丈夫」という経験をさせることも安全な環境づくりには大切です。
大人になった私も日常の中でいまだにたくさんの間違いをします。
子どもたちには、それでもいいんだと言うことを伝えます。

そして教師が常に一貫性のある言動をすることも子どもたちが安心して学ぶ環境には欠かせません
英語を100%は理解できない状況で、次に何が起こるのか、次に何をするのか、一貫性を持って行動することで、こどもたちは「次」が予測できますから、自信を持って行動することができるようになります。

 

5.教師として心がけていること

子どもの心を忘れないこと。
わたしはいまだに大きな子どもです(笑)。
そして物理的にも子どもたちの近くにいることでしょうか。
同じ目線で一緒に活動をします。
どのクラスルームにもマットスペースがあるのは、教師も一緒にマットの上にしゃがんで、活動をするためです。
子どもたちの前に立って講義をするわけではありません。

子どもに指示を出すのではなく、一緒に行動する、そんなイメージです。
これは私だけでなくスクールの教師の皆が心がけていることだと思います。

 

6.オールイングリッシュのメリットは?

いいことばかりだと思います。
まず、この年齢での言語習得は「第二言語を学んでいる」という認識すらありません。
子どもたちにとっては、毎日楽しいことや面白いことをしている場所(=キンダーガーテン)で英語を使っている、ただそれだけの環境です。
教師には日本語が通じませんから、子どもたちが先生ともっと楽しく遊びたいのであれば英語を使うしかありません。
つまり、第二言語である英語を、おそらく最も安全で楽しい活動を通して自然に身につけることができます。

また、第二言語の習得は社会性や問題解決能力を鍛えることにつながると思っています。
ここキンダーガーテンでは、「何かをしたい、解決したい」と思った時に、子どもたちは母語以外の言語で行っているんです。
また、異なる文化、異なる人種に触れていることも大きなメリットです。
異なる言語で、異なる文化背景の教師と長い時間を過ごすわけですから、子どもたちはさまざまな環境に柔軟に対応できるようになりますし、困難に思えることにも「チャレンジしよう!」と言う気持ちが自然に育ちます。
そしてこれらの経験の先には、もっと大きな実りがあることは間違いありません。

 

7.2022年度の思い出

今年は、私の受け持つ年少クラスで大きな挑戦がありました。
子どもたちは私との会話を英語で行うことにはすぐに慣れたのですが、お友達同士での会話がどうしても日本語になってしまうことが課題でした。
スクールマネージャーやトレーナーとも協力をして試行錯誤を繰り返しました。
そしてクラスの中で英語の素地があった2名をロールモデルとして、彼らが英語で会話をしながら遊びや活動を始めたらすぐにそこに加わって真似するような形で、クラス全体の遊びや活動を展開しました。
それをしばらく続けていた結果、ある日突然「I have an idea!」と別の子どもが自然と英語で発言したんです。
そこからは早かったですね。
クラスメイトとの会話でも、英語で提案や意見を言うようになっていきました。

 

8.子どもたちにTerm 3 をどのように過ごしてほしい?

Role Modelと言う言葉は使っていないのですが、4月になると、子どもたちより小さな仲間がやってくることを伝えました。
そして、「新入生たちは君たちの行動を見て、真似をするんだよ」ということを伝えています。
新年少の子どもたちは、初めての環境、初対面のクラスメイト、そして教師と一緒に英語オンリーで過ごすわけですから、見えるもの、聞こえるもの全てを頼りに、どのように振る舞えば良いのか、を必死に知ろうとします。

ですので、今いる子どもたちには、Classroom Expectation(クラスでの約束ごと)を守ることは大切だと伝えています。
例えば私が「Line Up(整列しましょう)」と言った時に、もしも先輩たちが輪になって走り始めたら、新入生は輪になって走ることが「Line Up」だと誤って理解してしまうわけです(笑)。
朝の集会も現在は全ての空間が年少クラスだけのものですが、4月からは新年少さんと一緒になりますから、お互いが怪我をしないように、空間に配慮することも伝えています。

そして最近では私が4月から来る新入生の話をすると「The little kids are coming!」「The little kids are coming!」と口にするようになってきました。
Term 3になってから、もちろん英語で、子どもたちにこのメッセージを伝え続けているのですが、今のところうまく伝わっているように思います。

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